うつ病について: うつ病の症状

うつ病の症状

・うつ病の代表的な症状は、気分の落ち込みと、喜びの感覚が失われること。
・気分の変化だけでなく、身体症状も出現する。
・抑うつ症状が2週間以上続いていないと、うつ病とは診断しない。


うつ病の特徴は、「気分が重く沈み込む」という症状と「何をやっても楽しくない」という症状です。どちらかの症状が2週間以上続かないと、うつ病とは診断しません。さらに、うつ病の人によく見られる症状として、「食欲がない」「疲れやすい」「よく眠れない」「集中できない」「動きが遅くなる」「必要以上に自分を責める」などがあります。 また、うつ病では、身体的な症状を引き起こすこともあります。「頭痛」「倦怠感」「肩こり」「胃の痛み」「下痢・便秘」「発汗」「息苦しさ」などがよく見られます。こうした身体症状が強く訴えられる場合、身体症状に目がいき、うつ病が見逃されてしまうことがあります。このような、「仮面うつ病」にも注意が必要です。



うつ病の中核症状(傳田健三)
■精神症状
 興味関心の減退:好きなことも楽しめない、趣味にも気持ちが向かない
 意欲・気力の減退:何をするのも億劫、気力がわかない、何事も面倒
 知的活動の減退:何も頭に入らない、能率の低下、集中力・決断力の低下、成績の低下
 抑うつ気分:気分が沈む、気が滅入る、寂しい、涙もろくなる
■身体症状
 睡眠障害:寝つきが悪い、途中で目が覚める、ぐっすり寝た気がしない、朝早く目が覚める
 食欲障害:食欲低下、体重減少(期待される体重増加がない)、時に食欲亢進、体重増加
 身体のだるさ:全身が重い、疲れやすい、身体の力が抜けたような感じがする
 日内変動:朝が最も悪く、夕方から楽になることが多い(逆のパターンもある)



中核症状とは、うつ病の根底に存在する生物学的変化から生じるもので、誰にでも同じような形で体験されるものです。うつ病の基本症状で、軽症のうつ病でも存在します。
そして、このような抑うつ症状が強まると、次第に2次症状が出現してきます。2次症状は、中核症状の体験が各個人によって加工されたもので、不安、憂うつ、焦燥、いらいら感、悲嘆、悲哀などの感情や、自傷行為、自殺企図、引きこもりなどの行動が含まれます。2次症状は、中核症状の存在を前提とするとある程度理解できるもので、年齢、性別、性格、生活経験、社会習慣などによって変化し、きわめて多様なことが特徴です。
しかし、これらの症状があっても、うつ病とは気づかず、自分の心が弱いからだと考え、治療にはつながらないこともあります。