うつ病について: 抗うつ薬を飲む時の注意点

抗うつ薬を飲む時の注意点

・原則として単剤で使用する。 
・毎日欠かさず十分な量を飲む。
・一度にたくさん飲んでも、うつ病がよくなるわけではない。
・調子がよくなっても、薬をやめてしまうと症状が再燃する可能性がある。
・薬の減量や中止は、担当医師とよく相談して決める。
・時に有害反応を引き起こすことがある。


抗うつ薬の効果を十分に引き出すためには、薬の飲み方にも注意を払う必要があります。
抗うつ薬は、原則として単剤で使用します。二種類以上の抗うつ薬を併用しても、効果が上がることは期待しにくいし、副作用の危険性が増すからです。最初は少なめの量から始め、様子を見ながら少しずつ量を増やしていきます。
投与初期に生じる副作用は、服用を続けるうちに改善することが多いので、軽度の副作用であればそのまま服用を続けたほうがいいでしょう。副作用が強い場合には、薬の変更を考えます。薬の副作用は、薬をやめればなくなり、後遺症を残すこともありません。
抗うつ薬には即効性はなく、しばらく飲み続けていくことで効果が現れます。通常は、飲み始めてから効果がでるまでに、2週間くらいかかります。服用直後に効果が現れないからといって、飲むのをやめるべきではありません。一度にたくさん飲んでも、うつ病がよくなるわけではないので、医師の処方どおりに服用してください。
また、症状が軽くなったからといって、自己判断で薬の量を減らしたり中止するのはよくありません。ある程度症状が改善しても、うつは完治したわけではありません。不安定な状態はしばらく続きます。ちょっとしたストレスを契機に、症状が再燃する可能性がありますので、症状が完全に消失した後も、しばらくはそのままの量で服薬を続けた方がいいでしょう。
最初の抗うつ薬を飲んで効果が得られなかったからといって、あきらめないでください。薬の効き方は一人一人異なります。別の種類の抗うつ薬を試せばいいのです。通常は、十分量を一定期間継続して使用しても効果がない場合、別の種類の抗うつ薬に変更します。
なお、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)は、ごくまれですが、強い不安、焦燥、攻撃性、衝動性、希死念慮などを引き起こすことがあります。とくに、若い人に使う時には注意が必要です。
また、SSRIを一定期間服用していて急に中断すると、イライラ感、体の震え、違和感などの離脱症状が出現することがあります。したがってこういう薬剤を中止する際には、徐々に減らすことが原則です。