うつ病について: 周りの人にできること

周りの人にできること

・ゆっくり休養できる環境を整える。
・励まさない。
・重大な決断は先に延ばしてもらう。
・受診や服薬を続けられるように援助する。
・自殺には注意する。


身近な人がうつ病で苦しんでいると、誰でもどう接すればいいのか戸惑います。しかし、過度に構えてしまう必要はありません。あまりに特別な態度だと、かえって居心地が悪くなったり、自分を追いつめてしまったりすることもあります。
『うつ病というものは周りから見える以上に苦しいものかもしれない』ということを想像していれば、大きな間違いはありません。心配してあれこれと働きかけるよりも、まずはその人の話をゆっくりと聞く方がいいでしょう。せかされたり押しつけられたりすると、苦しいものです。
うつ病の人は、『頑張りたいけど頑張れない』状態です。どうにもならないのに励まされると、できない自分をみじめに感じ、ますます苦しくなってしまいます。ただでさえ焦りをつのらせやすい状態なので、周りがそれをあおらないように注意しましょう。
うつ病の人は、マイナス思考になりやすいという側面があります。退職するしかない、離婚するしかないと考えたりすることもありますが、重大な決定は回復後にしてもらった方がいいでしょう。
うつ病の治療では、薬が重要な位置を占めます。薬を飲み忘れたりしていないか気を配ったり、必要があれば通院に付き添ったりするといいでしょう。担当医師にうまく症状を伝えられないような時は、患者の了解を得た上で、今の状況を伝えることも役に立ちます。
うつ病の時は、自殺を図る可能性があります。特に回復期や、焦燥感・不安感が強い時には注意が必要です。もし、「死にたい」「自分には生きる価値がない」と言われた時には、聞き流さないようにしましょう。うつ病のために一時的にそういう気持ちになっていること、いつか必ず出口が見えてくること、自殺は絶対にして欲しくないことを伝えましょう。その上で担当医師と問題解決の方法を探っていきましょう。